米国時間5月19日、MicrosoftはInternet Explorer(IE)のサポートを終了することを発表し、2022年6月15日に完全に停止されました。
IEは1995年頃から普及し、長くブラウザのスタンダードとしての利用され続けてきました。その後、CSSの普及などで他ブラウザが台頭し、他ブラウザは新しい統一規格に準拠したレンダリングを行うようになってきました。しかしIEはその方向性に従わず独自の路線を突き進むことになります。このことで当時からウェブデザイナーなどからIEに対する不満の声は徐々に聞こえてはおりました。それだけが理由ではないでしょうが、CSS表示に問題が出たり、表示が重くなりがちだったこともあり、IEはシェアを徐々に減らしていきます。
とは言え、IEは当時まだシェアトップでしたので、ユーザ数も多く残っており、IEが推奨環境に含まれているウェブサイトもまだかなりありました。そのためウェブデザイナーやコーダーの間ではIE6対応にかなりの時間が割かれ、制作者の間ではさらに不評を買うことになりました。
時は進み、2022年現在においてはモバイルデバイスの普及に伴いChromeやSafariにシェアの座を明け渡しているものの依然として最近まで法人や公的機関などで使われていたようです。
お客様によく「サポート終了と言ってもWindows7みたいにしばらくは使えるんでしょ?」とよく聞かれますが、今回のIEのサポート終了は、単純に更新プログラムが停止すると言うものではなく、そもそもIEが起動できなくなり、代わりにMicrosoft Edgeが起動する形になっています。
一部最新の更新プログラムを適用しなければ利用できる可能性はありますが、脆弱性対応がされなくなりますので、IEの脆弱性は解消されない状態となってしまいこの状態で使用し続けるのは非常に危険です。
現時点でMicrosoftが正式に発表されている代替ブラウザは「Microsoft Edge」です。
Edgeは「IEモード」を搭載しており、IE11サポート終了日以降も、IEベースで構築されているWebサイトやアプリをMicrosoft Edge上で利用できます。一部の法人や公的機関などで使われている、推奨環境がIEのみに対応しているサイトなどを利用する時にはこの方法でしばらくは回避できそうです。ただし、IEと全く同じように動作するかは現時点では何とも言えない状況です。
MicrosoftはIEモードを少なくとも2029年までは継続する予定であると発表してます。
もしIEモードを利用する必要がない環境であれば、chromeやFirefoxなどが代替ツールとして挙げられます。個人的にはシェア・機能的にchromeをお勧めします。